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【SUSUの素 No.14『3週間の出張と2歳児』 | ブランドディレクター菅原の日常の中の心が動く小さな出来事を散文的に綴ったコラム】

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Writer: SALASUSUブランドディレクター菅原 裕恵HIROE SUGAWARA

こんにちは!
今回はメルマガ先行配信中の連載コラム「SUSUの素(もと)」をご紹介します。
さらっと流れていってしまうような日常の機微にこそ、どうやら「SUSUの素」が詰まっているようです。
菅原の目線を通して、SALASUSUの世界観を感じてみてくださいね。



No. 14『3週間の出張と2歳児』

普段は日本とカンボジアをオンラインで繋いで工房とやりとりをしている。
でも新商品の開発はやっぱり現地に行くのがいい。
ようやく1年8ヶ月ぶりに工房に行けるタイミングがやってきた。

いつもなら日本から直行で工房のあるシェムリアップに行けるのに、今のカンボジアの空の玄関口はプノンペンのみ。いつもより移動時間がかかることを考慮して少し長めの3週間の出張予定を組む。

出張で心配だったのは、まもなく3歳になる息子。
彼が0歳の頃から出張に行くことはあったし、今回も大丈夫とは思いつつも、
「夜、わたし以外と眠れるだろうか」とか、「不在中に保育園の先生に「最近、荒れてますよ」とか言われたらどうしよう」とか、心配は尽きない。でも行くならこのタイミングしかない。夫と義理の母に息子を託し出発した。

▲シェムリアップの街から工房のある村まで送迎してくれるSALASUSUのバス

カンボジアの工房での仕事は街へ戻る移動があるから17時にはもうバスの中。日本は時差で19時、息子も夕食を食べ終えて遊んでいる頃。たまに夫からのメッセージで息子の写真が送られてくるけれどやっぱり動く彼を見たいからLINE電話をする。

 

パッと画面に映る息子。「あ!たーたん(お母さん)!」と元気そうな姿を見られてひと安心。それも束の間、すぐに画面から姿を消す彼。誰も映っていない画面に「おーい!おーい!元気にしているー?」と呼びかけるも、反応なし。遠くから聞こえる息子のクリスマスソングの歌声、どこかで遊んでいるらしい。

 

また画面に戻ってきたと思ったらスマホの画面をゴソゴソいじっている姿が。「あー、赤いバツのボタンは押しちゃダメだよー」って言うのが早かったか、彼が押したのが早かったか、非情な「テロン♪」と電話が切れた音と共に暗くなった画面。5分も繋がってなかったよな・・・そして直後、夫から「バイバーイだって」とこちらも非情なメッセージが。

 

結局5回くらいしか電話しなかったし、毎回そんな感じ。出張を終えて帰宅した時も「たーたん、おかえりー」と淡白な反応の彼。そしてまた何事もなかったかのように、わたしがいる日常に戻る。意外に大丈夫だな、2歳児。母がいなくてもその時々で自分が好きなこと、楽しいことを見つけて過ごせるのね。

 

3週間。息子は彼なりに母がいない分、お父さんとおばあちゃんと楽しく過ごせた様子。わたしも思いっきり商品開発できたし、そんな経験も彼の人生を豊かにしてくれる時間だったのかも。ちょっと寂しかったけどね。みんなそれぞれ幸せでよかったなーと思うことにする。


『SUSUの素(もと)』

ブランドディレクター菅原裕恵の日常の中の心が動く小さな出来事を散文的に綴ったコラム。
ささやかで、個人的な目線を通して、SALASUSUの世界観を感じてみてください。
最新話はSALASUSUメールマガジンにて毎月2回、金曜夜20時ごろ先行配信。

購読は下のフォームから。

Writer

SALASUSUブランドディレクター菅原 裕恵HIROE SUGAWARA

美術大学卒業後、東京で6年間の婦人靴のデザイナー経験を経て、2016年よりSALASUSUに参画。SALASUSUのプロダクトデザイン、ディレクションを担当。1年間の駐在のち現在はカンボジアと日本を行き来しながら、目に見えない付加価値を追求したものづくりを模索中。

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