【学びを通じて見つけた自分】〜作り手女性サムナンのストーリー〜
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Writer: ソーシャルエンパワメント部門 シニアマネジャー後藤 愛美MANAMI GOTO
カンボジアの農村にあるSALASUSUの工房。この場所で働き、学び、自らの人生を力強く歩む作り手女性、サムナンのストーリー。
※この記事はかものはしプロジェクトが発行する「年次報告書2021」に掲載されたものです
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私はシェムリアップの農村で生まれました。
10歳の時に母親が病気になり、家族を支えるために小学校を5年生で中退しました。その後たくさんの仕事を経験しましたが、特に家政婦として働いていた時は人としての扱いを受けられず、辛くて夜はいつも泣いていました。しかし、私の家族にはお金が必要だったので、耐えて働くしかありませんでした。
SALASUSUと出会ったのは19歳の時です。ミシンを触るのは初めてだったので、最初は使い方も分からず、針が自分の手に刺さってしまうのではないかととても怖く感じました。

働き始めた頃のサムナン(一番右)
一番最初に縫った商品は丸いコースターでした。今なら10分ほどで完成しますが、最初は曲線を縫うのが難しく、とても時間がかかりました。先生が一つ一つミシンの使い方を教えてくれ、3日かかってなんとか一つのコースターを縫い上げることができた時、正直あまり出来栄えはよくなかったけど、「これを自分が作ったのだ」ととても誇りに思ったことを覚えています。

コースター(日本未販売)
その後も工房ではたくさんの商品を作ることに挑戦しました。私は他の人より成長が遅く、周りを見て焦ったり、できない自分に落ち込んだこともあります。そんな時は、周りの人たちができるのだから自分にもできるんだ、と自らを励まし続けました。初めてミシンを触ってから約9ヶ月で一人前として認められた時は、言葉にならないほど嬉しかったです。

工房に来て一番変わったことは、「自分でもできる」と心から思えるようになったことです。工房に来てすぐは、自分には働くための能力やスキルはないと思っていました。自分にも可能性があるということを、信じようとも思っていませんでした。しかし、工房での経験を通じて、私は変わっていきました。
以前は自分の人生を他の人と比べてうらやむだけでしたが、今はそうやって人と比べるのをやめました。私はお金持ちでも、多くのものを持っているわけでもないけれど、自分や現実の生活を受け入れ、私の方法で自分の人生を楽しめるようになりました。
もう何事も、決して諦めたくないです。
コロナの影響が続き、
資金が足りない今、
あと10人の女性がサムナンのように自分らしい人生を歩めるよう
30人のSALASUSUサポーターを募集します!
2018年にかものはしのカンボジア事業から、別団体のSALASUSUとして独立して4年。私たちが目指すのは、生まれた環境に左右されず、人生を主体的に歩む女性をカンボジア中に増やしていくことです。
しかし、コロナ禍で観光客が激減し、収入の7割を占めるカンボジアでの商品売上はゼロに。この危機の中でも、より多くの女性たちが働き、学べるよう、SALASUSUに力を貸してください!
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ソーシャルエンパワメント部門 シニアマネジャー後藤 愛美MANAMI GOTO
厳しい環境で生きる人々の力になりたいと、コンサルティング会社、前身かものはしプロジェクトを経て、2018年よりSALASUSUに参画。カンボジア駐在。工房の女性たちのケアやトレーニングを担当するかたわら、現地の様子を伝える広報活動にも力を入れる。SALASUSU Paper編集長。韓国カルチャーにハマり中。