【メディア掲載】「朝日新聞」GLOBEのコーナーにて代表青木のインタビューが掲載されました
Date:
Writer: SALASUSUスタッフ
2024年6月16日(日)発行の朝刊「朝日新聞 GLOBE」にて、 SALASUSU代表 青木健太のインタビュー記事が掲載されました。
19歳で友人2人と共に学生起業、以来20年以上にわたってNPO経営に携わってきた青木。
「よいリーダーであらねば」という思い込みから、自分自身が潰れてしまった経験を通じて見いだした「強くないリーダーシップ」について語っています。ぜひ本紙にてご覧ください。
※後日WEBでも公開される予定です。掲載されましたら改めてお知らせいたします。
代表青木から、本紙をご覧いただいた方へのメッセージ
『「突破する力」という錚々たる顔ぶれが揃う連載に取り上げていただき光栄です。掲載にあたって非常にしっかりとした取材をしていただき、普段語る事がないようなことも含めてお話しさせて頂きました。照れくさくもありますが、「社会を変えるために活動をするリーダー」は情熱をもったスーパーマンのように語られがちですが、そうではなくもっと等身大でよいんだ、ということをお伝えしたつもりです。この記事を読んでいただいた方にとって何か頑張ろうと思える力になれば嬉しいです。
記事では語りきれなかった最近の活動の様子やお願いを本記事に掲載させていただきました。是非お読みいただき、私たちSALASUSUの旅を応援してください!』
GLOBEを読んで「応援したい!」と思ったら
ご寄付はこちらから
本紙で語りきれなかった僕らの思い
SALASUSUではいま、僕らの活動を支えてくれる仲間を熱烈に募集している。
そのために今回は、SALASUSUがいま行っていること、めざしていることを改めて伝えようと思う。Web上ではあまりきちんと伝えられていなかったけれど、2023年に教育事業一本に軸を絞って以来さまざまな変化があった。
昨夏には雑貨ブランドSALASUSUの新規開発・日本展開を終え、作り手たちとクローズセレモニーを行い、7年の旅路をみんなで振り返りながら感動的な時間を過ごした。
今年1月には、工房を公教育改革の拠点である”実験校”としてプレオープン。近隣の公立学校から小学生50名を受け入れ、協同学習型授業のトライアルを行っている。
改めて、僕らが大きな転換を経て、何に挑もうとしているのかを語らせてほしい。
いま、カンボジアが抱える教育課題
僕たちは、カンボジアのすべての教室が、子どもにとって安心して学びに夢中になれる場所であってほしいと願っている。しかし、現状はとてもそうとは言えない。僕たちが観察した中学校の授業で、ある子どもはグループワークにまったく参加できず取り残されていた。何も学べていないまま、それを悟らせないように目線を落としずっと固まっている時間。そんな時間を経験する子どもたちを1人でも減らしたい。
ほかの子どもたちとつながって支え合い、学ぶことを楽しめている時間。それを用意することが、子どもたちの権利と尊厳を守ることなのだと思っている。他者とともに夢中で学び合った経験は、長い人生の旅を楽しむための心の糧になるだろう。
この30年で、カンボジアではさまざまな教育改革が行われ、公教育へのアクセスは急速に改善した。一方で、10歳時点で適切な読み書きができる子どもの割合は10%と、学びの質は低いままだ。そして、この問題を解決するための最も根本的で、最も改革が進んでいない領域が、現職教師の能力開発をどう支えていくか、というところである。
1975 – 1979年にポル・ポト政権下で起きたカンボジア大虐殺という暗い歴史の中で、教師が75%虐殺されたとする統計がある。熟達した専門家になるために長年の研鑽が必要となる教師の多くが失われたことは、今もなおカンボジアに暗い影を落としている。カンボジアでも過去20年以上にわたって「子ども中心の学習」が必要であると認識されてきたが、十分な教育ノウハウの蓄積がないため実現できていないのが現状だ。
教師同士が学び合い、生徒を「見取る」力を育てる
こうした状況の中で僕たちが大事だと思っていることが2つある。教師が学べていない・孤立している子どもたちに気づく「見取り」の力を伸ばすこと、教師が学校の中でお互いを支え合う「コミュニティ」を形成することだ。
多人数に行う授業は複雑であり、正解のやり方も100通りある。そのため、学校や教師に対し「誰かが考えた良い授業案」を押しつけてもあまり効果はない。大事なのは、一つ一つ毎回違う教室・子どもたちに対応していける教師の専門性を高めることと、授業づくりを支え合う仲間がいることだと僕たちは考える。子どもたちが学び続けられる学校をつくりたければ、まず教師が安心して学べる環境をつくる必要があるのだ。
写真は実験校での授業の様子だ。ほかの子どもたちと支え合いながら難しい問題に取り組み、すごくいい表情で笑っている。こんな光景を、今後もたくさん生み出していきたい。
そのためにSALASUSUは今後、展開する学校数を増やしていくことに挑戦する。
世界中の子どもたちが「学ぶ喜び」を実感できるように
現在は公立学校の改革モデル創出に力を入れて取り組んでいる。目標は10年間で200校に展開し、20万人の子どもに影響を与えることだが、これはカンボジア全体のわずか2%に過ぎない。全国に広げるには政策化と政府との協働が必須だが、カンボジア全体の学びの貧困率を大きく20%ほどに下げることも夢ではない。
さらに僕たちはこの活動をカンボジア以外の国にも広げていけると考えている。「公教育をどう改善していくか」は世界中の重要な課題であるためだ。
1つのNGOがこれだけ公教育改革に関われる国はほかにない。カンボジアで公教育改革を成功させ、世界に輸出していけたら、世界中の子どもたちが学ぶ喜び、授業を通してほかの子どもたちとつながる喜びを実感し、人生の旅を楽しめるようになるかもしれない。そんな世界をつくっていきたいと考えている。
SALASUSUが挑戦する旅を応援する仲間になってほしい
しかしそのためにはもっと仲間が必要だ。僕たちは活動を支えてくれる仲間を、切実に求めている。
僕たちの事業、研究、政策づくり、どれをとっても収入をつくることが難しく、特に実験校の方は寄付を中心として運営していくことになる。そしてそのためのお金が、正直に言って今全く足りていない。スタッフの給与も十分ではない状態だ。もし僕たちの活動やめざしているものに価値を感じてくれたなら、どうかSALASUSUが挑戦する旅を応援する仲間になってもらえないだろうか。
月々1000円からのサポーター会員になっていただける方、寄付をいただける方、インターンやボランティアで力を貸していただける方、共に世界の助成金や寄付を集めていただける方。たくさんの人の助けを借りて、これからの15年、学校を変える取り組みを進めていきたいと思う。
「誰も取り残さない教室」をカンボジア中に、世界中に広めるために。SALASUSUを、どうかよろしくお願いします。
この記事を読んで「応援したい!」と思ったら
ご寄付はこちらから
SALASUSUへのご寄付は寄付控除の対象です。SALASUSUでは皆さまからいただいたあたたかいご支援を生まれた背景に関わらず誰もが学べる「誰も取り残されない教室」の実現のために使わせていただいております。カンボジアでの実験校開校のため、カリキュラム開発、教師の研修、生徒たちの送迎の仕組みづくり等の費用に使用させていただきます。
SALASUSUスタッフ
SALASUSUのインターンやスタッフが更新しています。