【コラム】自然体であること

「ひろえ、来たんだねー」

 

工房で見慣れた優しい笑顔が
プロダクトデザイナーの菅原を迎えてくれました。

 

2月中旬、
菅原は日本からカンボジアに出張していた。
諸々の業務の合間にどうしても会いたい人がいた。

 

カンボジア工房での
ものづくりを先頭に立って支えてくれたスタッフ、ソパーン。

 

彼女の自然体な笑顔とあたたかさは
どこにいても変わらずそのままでした。

 

 

ソパーンはカンボジアに工房ができてから
約11年間ずっと働いていてくれて、
工房の日々を全て知っているスタッフです。

 

元々洋裁の技術があった彼女は
工房の作り手たちの一番身近な先生でした。

 

そしてプロダクトデザイナーの菅原にとっては
ソパーンは欠かせないパートナー。

 

菅原がデザインしたものをソパーンが型紙に起こし、
生産プロセスを決めていきます。

 

ものづくりにおいてお互いの存在が欠かせない二人。
でも実は言葉での意思疎通は少なかった二人。

クメール語を通しての会話はどうしても
細かい部分まで菅原が説明することは難しい。
でもそれでもちゃんと伝わっているしとても信頼している。

それが2人の関係でした。

 

そんなソパーンが工房を卒業して
自分の村に帰っていたのは今年の1月末。
出張に合わせて菅原はソパーンの村を訪れました。

 

 

久しぶりの再会でもあるし、
彼女が工房を卒業してからの再会、
ちょっと感動的かもと菅原は期待していました。

 

でもそこにあったのは
以前と変わらない、いつも通りのソパーン。

 

なんだかちょっと拍子抜けしつつも
変わらず自然体な彼女との再会はうれしいもの。

 

村に帰って家族でビジネスを始めたソパーンは
ビジネスのこと、最近のことを楽しそうに話してくれました。

 

11年も工房で働いてくれたソパーン。
長く勤めた仕事を辞めて、
新しいことにチャレンジする。
しかもそれは家族経営の新ビジネス。
正直それはそんなに簡単なことではないはす。

 

でもソパーンはその大変さも受け入れ
新しい仕事と生活のどちらも自然体で楽しんでいました。

 

むしろその自然体な感じがとても清々しい。

 

そんな印象を菅原は受けました。

 

環境は変わっても、
より仕事が大変でも、
ソパーンはソパーンのまま。

 

変化を自然に受け入れ、
楽しそうに笑うソパーンから
たくさんのパワーをもらいました。

 

 

今、世界中で
これからの未来が不安で仕方なくなるような
そんな毎日が続いています。

 

カンボジアでも同じように影響を受け、
今までと同じ生活は今はできません。

 

たくさんの困難があるし、
今はそれが難しいこともあるけれど、

 

自然体で笑うこと。

 

それを心の中に忘れずにいたい。

 

ソパーンの笑顔を思い出すと
そう思えて仕方ありません。

 

ありがとう、ソパーン。