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【SUSUの素 No.5『木製の扇子スタンド』 | ブランドディレクター菅原の日常の中の心が動く小さな出来事を散文的に綴ったコラム】

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Writer: SALASUSUブランドディレクター菅原 裕恵HIROE SUGAWARA

こんにちは!
今回はメルマガ先行配信中の連載コラム「SUSUの素(もと)」をご紹介します。
さらっと流れていってしまうような日常の機微にこそ、どうやら「SUSUの素」が詰まっているようです。
菅原の目線を通して、SALASUSUの世界観を感じてみてくださいね。



No.5 『木製の扇子スタンド』

カンボジア工房のものづくり。たくさんの失敗談や笑い話が絶えず生まれてくる。

わたしの想像の斜め上をいく、彼らの発想や行動。

でもそれがあるからやめられない。

 

女性の多い工房で、頼りになるのが作り手の送迎を担当する男性ドライバー。

溶接、木工、車の修理、ミシンのメンテナンス、ときにはタイ語の通訳まで、多方面の依頼にも「やってみるよ」とまずは引き受けてくれる。たまに失敗して車の修理屋さんに怒られる、なんてこともあるけれど、彼らの「やってみるよ」の守備範囲の限界はどこまでなのか、未だにわからない。

 

そんな彼らに日本からひとつオーダーをした。

この夏、新発売のPalm Leaf Fan | カンボジアのヤシの葉扇子をディスプレイするための木のスタンドのサンプル。扇子を立ててディスプレイ出来るように、いくつか木製のデザインをお願いしたけれど、しばらく返事が来ない。どうしたものかと思っていたら、それは突然届いた。

 

カンボジアからの荷物の中に意気揚々と存在感を放って

たくさんのスタンドが入っている。

でもなんだか嫌な予感。そういう違和感はだいたい当たっている。

 

早速スタンドに扇子を立ててみる。

でも、穴に扇子が刺さらない。

均一に美しく開けられた穴のどれ一つにも扇子が入らない。どういうことか・・・

左:こうなるはずのスタンド 右:入る気配はない

 

確認すると工房にあった「サンプル」の扇子の大きさに合わせて、

きっちりと狂いなく、穴を均一に開けてくれていたことがわかった。

天然素材で作る扇子には若干サイズにばらつきがある。

なんなら、彼ら自身も扇子のハンドル作りを手伝っている。

 

とは言っても、ある程度、余裕をもった大きさの穴にしてくれたら問題なかったのに。

むしろこんなにたくさん作る前に一度くらい確認してくれてもいいのではないのか。

 

彼らに伝えたら、「ホントに?!すごくいい感じにつくれたのに」

とどこから来るのかわからない自信に満ち溢れた回答をくれた。

「えー!なんでー!?」と、もうこちらは笑うしかない。

 

カンボジアの工房でのものづくりは予想外のことだらけ。

もうそれには慣れているけれど、彼らのとりあえずやってみる精神に救われることもたくさん。

ブランドディレクターとして頭を抱えることもあるけれど、

そんな彼らを頼もしく思っている。


『SUSUの素(もと)』

ブランドディレクター菅原裕恵の日常の中の心が動く小さな出来事を散文的に綴ったコラム。
ささやかで、個人的な目線を通して、SALASUSUの世界観を感じてみてください。
最新話はSALASUSUメールマガジンにて毎月2回、金曜夜20時ごろ先行配信。

購読は下のフォームから。

Writer

SALASUSUブランドディレクター菅原 裕恵HIROE SUGAWARA

美術大学卒業後、東京で6年間の婦人靴のデザイナー経験を経て、2016年よりSALASUSUに参画。SALASUSUのプロダクトデザイン、ディレクションを担当。1年間の駐在のち現在はカンボジアと日本を行き来しながら、目に見えない付加価値を追求したものづくりを模索中。

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