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【SUSUの素 No.17『木製チャームとブッティ』 | ブランドディレクター菅原の日常の中の心が動く小さな出来事を散文的に綴ったコラム】

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Writer: SALASUSUブランドディレクター菅原 裕恵HIROE SUGAWARA

こんにちは!
今回はメルマガ先行配信中の連載コラム「SUSUの素(もと)」をご紹介します。
さらっと流れていってしまうような日常の機微にこそ、どうやら「SUSUの素」が詰まっているようです。
菅原の目線を通して、SALASUSUの世界観を感じてみてくださいね。



No.17 『木製チャームとブッティ』

カンボジアの工房に欠かせない存在、ブッティ。
彼女は、もう10年ほど工房で働いてくれていて、お願いしたことをきっちりこなしてくれる、頼れる生産部門のマネージャー。

そんな彼女が珍しくテンション高めに、そしていつも以上の速さで仕事をしてくれたのが、今回のカンボジア出張で作ってきた、春夏の新作「Wood charm bag 」の生産での出来事。

いつもバッグにアクセントとしてつけているお馴染みの、い草チャーム。今回の新作では、い草チャームではうまく行かないことが発覚。初の試みだけれどいつもとは違う木製のチャームのついた紐のフリンジをつけてみたいと思い立ち、ブッティに「こんなのできるかなー?」とサンプルになりそうな写真を見せる。
写真を見た瞬間、彼女の表情が変わる。「んー!キュート!」と感嘆の声と共にテンションが跳ね上がっているのがわかる。普段、工房で作っているものは日本のお客様をイメージして作っているので、ややカンボジア人の好みとは違うことも。なので、作り手から商品に関して「かわいいー!」とテンションが上がるのを見ることは少ないから、ブッティの反応はとても新鮮。

いつもテキパキと仕事をしてくれるブッティだけど、木製チャームの仕事の速さはいつもの1.5倍。「早く作りたい!」そんな強い意志を感じる。

早速、木工を担当してくれているトゥクトゥクのドライバーを呼び出し、指示を出し始める。「これをね、作るのよ。ひろえ、大きさは?あ!ここにロゴの焼印が入ったらかわいいと思うんだけどどう?」
と、こちらが考える隙もなく、前のめりな彼女からの提案が止まらない。そんな勢いに圧倒されつつも、もう夕方だったので作業はここまで。まだそんなに急がなくても時間はある。

次の日、オフィスで仕事をしていたわたしのもとに次々に送られてくるブッティからのメッセージ。何パターンもの試作品の写真があって、間髪入れずに「今、この話をしないといけないから、いい?」と。「明日工房に行くよ」なんて言える隙はない。
それに何より試作品の木目もいい感じで、ロゴの焼印もすごく綺麗に入っている。「こんないい木どこにあったの?」とびっくりして聞くと「その辺に落ちてたの」って…確かに工房に木端はたくさんあるけどね。よく見つけたね。

そんなブッティの勢いもあってあっという間に完成した木製チャーム。
ブッティは作り手よりも年上で、「ネアックルー(先生)」と呼ばれている。それに真面目な性格で、仕事柄、様々なプレッシャーを感じている場面も多いと思う。そんな彼女が、熱を入れて、何よりも無邪気に、楽しそうにものづくりをしてくれている姿が見られて、うれしい。「この提案してよかったなー」って思うし、そんな彼女と一緒に作った「Wood charm bag 」がたくさんの方の元へ届きますようにって思う。


『SUSUの素(もと)』

ブランドディレクター菅原裕恵の日常の中の心が動く小さな出来事を散文的に綴ったコラム。
ささやかで、個人的な目線を通して、SALASUSUの世界観を感じてみてください。
最新話はSALASUSUメールマガジンにて毎月2回、金曜夜20時ごろ先行配信。

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Writer

SALASUSUブランドディレクター菅原 裕恵HIROE SUGAWARA

美術大学卒業後、東京で6年間の婦人靴のデザイナー経験を経て、2016年よりSALASUSUに参画。SALASUSUのプロダクトデザイン、ディレクションを担当。1年間の駐在のち現在はカンボジアと日本を行き来しながら、目に見えない付加価値を追求したものづくりを模索中。

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